むかで屋本屋デビューへの道 その2 ポップ&ハイテンション

    さて、むかで屋本屋デビューへの道、思いの外順調に進んでおります。

てか、当日までやる事ないやんってレベルです。

 

   日曜日は1日家にこもって、売りに出す書籍の選書&改装&値段付け&ポップ書きをしました。

なかなか楽しくて、同居人と2人、ずーっと作業してしまいましたよ。

 

その1.選書

    いずれは、本格的な背取りをしたり、新刊を仕入れて売ったり、はたまたオリジナルの冊子でも作りたいですが、今回はデビュー戦ということで、自分の蔵書がほとんどです。

   ただ、私は本を所有したいという欲が薄めな人間で、殆どの本は処分しちゃうし、図書館のヘビーユーザーだし、胸を張って売れるような蔵書がないんですね。

    ましてや、今回の文化祭のお客さんに合わせた選書はとてもとても……

 

   冷や汗をかきつつ、クリエイターの方が多そうなのと仕事に慣れない頃買い込んじゃって余っているのでデザイン関係書。書店開業志望の方も多そうなので書店や出版業界関係書、あとは最近読んで面白かった本をチョイス。

 

    また、 むかで屋の文豪グッズを一緒に売りますし、オリジナルの夏目漱石or太宰治ブックカバーも製作したので、少しはその関係の本もあった方が良いかなと思い、近所のBOOK・OFF(品揃えがやたらいい)で、夏目漱石太宰治の文庫本を5、6冊背取りしてきました。

   実際に売る値段を考え100円棚からのみ抜きましたが、やっぱり100円本は状態が良くないのとタイトルもメジャーどころだけに。

 

    他に、同居人にも少しだけ出してもらい、約50冊。今回のスペースが長机半分くらいでむかで屋の雑貨も置くこと、横浜まで運ぶ手間を考えるとまあまあ妥当な量かと思っていますが、妥当かどうか分かるのは当日でしょうね。

 

その2.改装

    古本屋さんで店に出す前の商品を、きれいにする作業のことです。

    カバーの汚れを消しゴムや化学ぞうきんで落としたり、値札を剥がしたりします。

 

    BOOK・OFFヘビーユーザーにとって悩ましいのが、剥がれにくい上に剥がすとベタベタくっつく値札の扱い。アレには、100円ショップで販売しているシールはがしが有効(ジッポライターのオイルでもいいらしいけど、怖くて試してない)なのですが、使い方に結構コツがいります。液をシールに塗ったあとしばらく置いてシールを充分ふやかす必要があるのですね。

    私はいつもその事を忘れて失敗します。今回も一冊失敗して、値引きする羽目に。

 

その3.値段付け

    自分で本に値段を付けるのは初めての経験です。最高で500円、最低で10円(読んでるうちにページが取れた本)にしました。

    値段付けの基準はフィーリングのみです!

あと、釣り銭が出しやすい値段かどうか。

 

    値段の表示はどうするか悩みましたが、せっかくシールを剥がしたのにまたシールを貼るのもバカバカしいし、本に直接書き込むのも抵抗があるので……

 


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    オリジナルのスリップ作っちゃいました!

スリップを1枚1枚切って(まるい部分もカッターで切り抜いてる)、そのスリップに値段と書名を書き込むのはなかなかチマチマした作業ですが、やってると楽しくて時間を忘れます。

    スリップ手づくり、書店員時代も何度かやった事あります。まるい部分も、カッターでちまちま切り抜きました。

 

     当日は、スリップを抜くだけ。売れた本と値段を記録しないですむので、楽なんじゃないかしら?

 

その3.ポップ書き

    そのままだと売れる気がしないので、ほとんど全ての本にポップを付けてます。100円ショップで売ってるメッセージカード(50枚入り)を、カバーor帯にマスキングテープで貼り付けてます。


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こんな感じです。

 

    私、ポップを1度も書いたことがございませんで、「こんなんでいいのかしら?」と思いつつ、フィーリングと勢いでガシガシ書きました。 

    しかし、手持ちのペンが細いのばっかりで、太字は自分でレタリングしたため色々残念な出来に。


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    まあ、これも味ってことで。

 

    そんなこんなで、売る本の準備はだいぶ整いました。

    たぶん、まだ続きます!

 

    6月の24日、みなとみらいのブカツドウでデビューです!

    改めてよろしくお願い致します。

http://bukatsu-do.jp/?eventschool=bkd_bunkasai2018

 

【本日の5冊】

 

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

 

 

 

 

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

 

 

 

せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)

せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)

 

 

 

 

スタバではグランデを買え!―価格と生活の経済学 (ちくま文庫)

スタバではグランデを買え!―価格と生活の経済学 (ちくま文庫)

 

 

 

書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる

書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

むかで屋本屋デビューへの道 その1

    ホームページに、「本屋活動」の項目を作ったり、毎日5冊の本が並ぶ「エア本屋((c)いか文庫さん)」であるこのブログ(以上のコンセプトは、いまでっち上げました)を立ち上げたり。

     おずおずと、本屋活動を始めている私たち「むかで屋」ですが、ついに三次元で本屋デビューです。

 

    横浜みなとみらいの「ブカツドウ」様で6月の24日に開催されます、「文化祭」の一箱古本市に参加が決定しました。

http://bukatsu-do.jp/?eventschool=bkd_bunkasai2018

 

    むかで屋のブースでは、本や文学に関する雑貨類(文豪ポストカード、文豪シール、文豪はんこなど)の他、デザイン、カフェ、本屋関係の本や、太宰治夏目漱石の文庫本を販売予定です。

    お買い上げ先着20名様には、むかで屋謹製「文学の鬼」栞をプレゼント。

   

    また、現在オリジナルのブックカバーを制作中でして、印刷が間に合えば、当日現物をもってゆきます。

   書籍をお買い上げの方でご希望の方は、オリジナルor夏目漱石or太宰治のブックカバーをおかけします。

   印刷が間に合わなかったらごめんなさい、ですが。

 

    これから、自分のためにノウハウを蓄積する意味を兼ねて、文化祭の準備に何をしたか?少しずつ書き継いで行こうと思いますので、しばしお付き合いいただけますと幸いです。

 

【本日の5冊】

 

 

これからの本屋読本

これからの本屋読本

 

 

 

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

 

 

 

文豪ナビ 夏目漱石 (新潮文庫)

文豪ナビ 夏目漱石 (新潮文庫)

 

 

 

文豪ナビ 太宰治 (新潮文庫)

文豪ナビ 太宰治 (新潮文庫)

 

 

 

「カバー、おかけしますか? 2」 本屋さんのブックカバー集

「カバー、おかけしますか? 2」 本屋さんのブックカバー集

 

 

 

 

 

    

ゲーム/ プレイヤーはふたりきり「ファントムスレッド」

~作品の結末に少し触れてます~

 

    渋谷のBunkamuraで上映される様な、ゴージャスな文藝映画を観たいという願望が数ヶ月前からあって、なかなか果たせずにいたけど、ポール・トーマス・アンダーソンの新作「ファントムスレッド」で欲を満たしてしまった。

 

    とにかく、ゴージャスなおドレスと、うっとりするような劇伴と、イギリスの生活文化をのぞき見できる愉しさと、ヒッチコックオマージュの毒とサスペンス……私がその手の映画に求めるものが詰まってて、天下のポール・トーマス・アンダーソン印だから質も折り紙つき。いや、贅沢な2時間でございました。

 

    物語は、ヒッチコックの「めまい」や、オードリー・ヘプバーンの「マイフェアレディ」のような、「原石女子を俺好みに磨き上げ」もの。

    ロンドンの一流メゾンを率いるダニエル・デイ・ルイスは、独身主義者で完璧主義者。少し太ってきた現恋人に見切りをつけた彼が、次に目をかけたのは、労働者階級で恐らく移民の女性。どこか粗忽でスタイルも良くない彼女を磨きあげて、一流のモデルに仕立てあげるのだ。彼の住む世界の輝きに魅せられたヒロインは、エレガントなモデルに変貌。しかし、気まぐれに自分を求める彼を待つだけの生活、徹底的な客体に仕立てあげられる苦痛が、彼女を蝕んでゆき……

 

    しかし、この映画が撮られたのはヒッチコックの時代ではなく、#metoo 運動の嵐が吹き荒れるハリウッドだし、監督はイギリス人ではなくカリフォルニア育ちのポール・トーマス・アンダーソンなので、物語は美しい悲劇にも、真の愛に目覚めた2人のハッピーエンドにも着地しません。

    ダニエル・デイ・ルイスとヒロインの関係は、終盤に大逆転する訳です。女を客体としか見る事が出来ず、その内面をノイズとしか考えない主人公は、最後に手痛いしっぺ返しを喰らうことに。

 

     一部の映画評は、この大逆転を「痛快」としていましたが、私はそうは思えませんでした。

    だって、主人公が女性の事を「空っぽな人形」としてしか扱えないのと同じく、ヒロインもまた、男性の事を「可愛いお人形」としてしか扱えない人なんですもの。

    つまり、この2人は同じカードの裏と表であり、同じルールのゲームを生きているプレイヤーなのです。

 

     身も蓋もない言い方をしてしまうと、同じ嗜好の変態さん。ただし、誰かを自分好みに磨き上げたい願望や、無力な相手をひたすらよしよししたい願望は、誰にでもあるでしょうから、ぎりぎり理解の範囲にいる変態さんではあります。

    最後の大逆転シーン、仔犬のような瞳でヒロインにすがるダニエル・デイ・ルイスをみた私が思ったのは、「いやもう、2人で好きな様にすればいいがな」という一言でした。

 

    それにしても、無力な赤ちゃんさながらの状態になって、ヒロインの膝で眠るデイ・ルイスの幸福そうな顔!徹底的な客体に成り下がるというのは、安らぎに満ちた世界へのドアを開けることでもあるのかもしれません。

    まあ、私はゴメンですけどね。

 

【本日の5冊】

 

魅惑のいう名の衣装 ハリウッドコスチュームデザイナー史
 

 

 

定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

 

 

 

キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 

 

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫)

 

 

 

めまい

めまい

 

 

 

   

うつうつ日記

    日曜日の日記で、本を読みすぎて鬱に陥りかけた旨書きましたが、その後数日で見事な鬱状態に嵌っております。

    5月の上旬からこのかた、鬱→やや浮上→鬱というサイクルを繰り返しており、つまりは、このブログを始めてから1度も完全に浮上出来ていなかったりします。いや、いつもはもう少し建設的な生活を送ってるんですよ、私。年に3分の1強、鬱の時期があるだけで。

 

    私の鬱には、本が読めなくなる鬱と、逆に本ばかり読んでしまう鬱とがあり、今の鬱は後者のようで、ある程度は読書出来てます。ただ、興味関心のアンテナが錆びつき始めているのか、図書館に行っても読みたい本が目に飛び込んで来ません。7冊借りられるのに、5冊しか借りなかったとか、私にとっては珍しい事です。

 

    ところで、今日行った練馬の区立図書館にいた先客(高校生くらいの女性)が、精神的に追い詰められた状態だったらしく、何かを小声で呟きながら、二つの棚の間の同じコースを、ぐるぐるぐるぐるぐるぐると、ずーっと歩き回っていました。

    最初はちょっと怖かったけど、どう見ても他人に危害を加えるタイプではなさそうだし、よくよく考えれば鬱を持て余して図書館に来てる自分も同類だなと思えてきて、まあ、そのまま歩き回っていただく事に。

    1時間ほど経って、彼女の方を見たら、それまで手ぶらで回遊していたはずの彼女が、いつの間にか英語の参考書を読みながら歩いてました。さすがにちょっと飽きてきたのかしら?と、おかしかったです。

 

【本日の5冊】

 

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

 

 

 

この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。

この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。

 

 

 

病むことについて (大人の本棚)

病むことについて (大人の本棚)

 

 

 

 

 

 

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

 

 

 

  

読書量の限界と仕事と読書の関係とエンタテインメント小説苦手人間の弁明

   この土日は、江古田の喫茶店をふらふら回遊しながら、5冊の本を読了。

6冊目を3分の2ほど読んだところで……インプット能力の限界を迎えました。

全く、本の内容が頭に入らず、さらに悪い事にその時読んでた本のテーマが「出版不況」……ひたすら気分が滅入ってしまい、「いかん!このままでは鬱に逆戻り」と気づきまして、自宅に戻ってぼーっとする事にした次第。

 

    それにつけても、すごいと思うのは、本を読んだり情報収集が本職な人達の「体力(?)」です。だって、2日に5冊程度の読書量じゃあ、とても学者やライターにはなれないでしょう?少なくとも私がギブアップした倍くらいのペースで、毎日読んでらっしゃるはず。特に、社会学とか歴史の専門家というのは、滅入る内容の本を延々と毎日読み続けている訳で……

    それ、鬱にならないのか?

頭痛がして活字を受け付けない時はどうされているのか?

    私には、到底無理です。

 

     と、言うと、「お前だって本屋で働いていただろう」とか、「今も書籍の組版やってるだろう」とか言われそうですが、書店員も組版屋も、本なんか読まなくても職人的な技量で何とかなるというか、そっちの方が大事な職域だと私は思ってます。

読書は私にとってほぼ娯楽ですし、本を読む事で話題が広がって、職場でのトークが面白くなればめっけもの、という位の効用しか求めていません。

てか、仕事のために本を読むなんて、なんか辛そうな気がしちゃって無理なんですよね。

 

    その割に、堅めの本を読んでるように見えるのは、単に私が真面目なのと、エンタテインメント小説にきちんと触れないまま大人になってしまったからです。

    私世代以降の読書好きというのは、たいていの場合、コバルト文庫とか黎明期のライトノベルを読みふける時期を経過してると思うんですが、私は何故かラノベ方面にはほとんど触れていないのです。

    母親が結構な文学&少女漫画好きで、「あんな中途半端なものを読むなら、漫画か文学のお読み」って言ってたのを、妙に素直に受け取ってしまったからだと思われますが、妹弟はわりとラノベも読んでた事を思うと、なぜ姉弟の中でいちばんアクの強い私(自覚している)だけが?とちょっと謎。

    ラノベやエンタテインメント小説に関しては、それこそ長年の蓄積がものをいう世界だと思うので、恐らく、今から私が良い読者になるのは無理でしょう。

     ちょっと残念ではあるな。

 

【本日の5冊】

 

 

不良のための読書術

不良のための読書術

 

 

 

「本屋」は死なない

「本屋」は死なない

 

 

 

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史

 

 

 

L文学完全読本

L文学完全読本

 

 

 

おじさんはなぜ時代小説が好きか (集英社文庫)

おじさんはなぜ時代小説が好きか (集英社文庫)